siroの工房を訪問した時に聞いた、「使う人の気持ちに応える器作りがしたい」という言葉に、深く共感したのを覚えています。ちょうど自分の料理への考えを整理していた時で、受け手にとっての料理を目指すべきという考えに至った時期でもありました。自分本位ではなく相手の想いに立つこと、これは料理と器作りに共通する大切なことかもしれません。
この赤い器は特に印象深く記憶しています。私の料理のコンセプトは季節の素材をそのまま使うことであり、赤い色は特に冬場にはどうしても素材側からは出てこないものでした。この器を見せられたとき、インパクトのある赤い要素が加わることで、コース全体を心地良く引き締めることができると確信しました。
店主は京料理の名店、ミシュラン二ツ星「草喰なかひがし」の主人を父に持ち、素材を余すところなく活かすことに強い信念をもっている。イタリア、フランス、日本の数々の名店で研鑽を積んだ店主による、色鮮やかで独創的なイタリアンを、落ち着いた雰囲気の空間で楽しむことができる。
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